24時間後には菌がウヨウヨ……ペットボトル飲料の正しい飲み方
ジメジメとした梅雨の時期。この季節はカビや菌の話が何かと気になりますね。暑くなり始めると外出先でペットボトル飲料を購入して飲む機会も増えると思いますが、開封後どれくらいの期間で飲んでいますか。
水の安全性や選び方・活用方法を改めて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」がペットボトル入りの水に着目し、原水の違いによる菌の増殖について検証実験を行いました。
そこで今回は、その実験結果とペットボトル飲料を飲む時に気をつけるべきポイントをご紹介します。
■24時間経過すると、ペットボトルの中には雑菌がウヨウヨ
水道水・天然水に大腸菌を添加し、生活シーンを想定して大腸菌添加後、室温で最長で3日間保管する実験を行った結果、いずれも時間の経過と共に菌の増加が見られ、保管期間1時間までは各種の試験水の菌数は大きな変動は見られませんでしたが、保管期間24時間を経過すると菌数が大幅に増加するものもみられました。
2015年3月に行った調査によると、約7割の人々が「ふたを開けて1日経過したペットボトルの水」を躊躇なく飲んでいるという結果が明らかになりましたが、健康な人の口の中にも多数の常在菌が存在し、そのため、口を付けて飲んだペットボトル内には口の中や空気中から入った雑菌が繁殖しやすい環境になっています。
■ペットボトルのお水はその日のうちに飲みきるべし
公立大学法人首都大学東京客員教授の矢野一好先生によると
「結果を総括すると、開封したペットボトルの水は、長くても、その日のうちに飲み切るほうが安心だと考えます。高温多湿の夏に外出するときは、熱中症対策としてボトル水を持ち歩くことも多いと思います。ペットボトル水は、飲み切りが理想ですが、無理な場合は、ボトルに直接口をつけて飲む“口飲み”を避け、早めに飲み切ることを推奨します」
とのこと。ペットボトルは少しずつ飲むためのもので、長期保存するための容器ではないと考えた方が良さそうです。
■夏場に気をつけるべきペットボトル飲料の飲み方
矢野先生もアドバイスをしてくださっていますが、夏場に気をつけるべきペットボトル飲料の取り扱いについて改めてまとめてみましょう。
(1)口を付けたペットボトル飲料はその日のうちに飲み切る
ペットボトルの外装をよく見てみると、「開封後は、冷蔵庫で保存し、●日以内にお飲み切りください」と注意書きが書かれています。これは、“口飲み”をせず、コップに注いだ場合の期限です。“口飲み”したペットボトルはその日のうちに飲み切りましょう。気温や湿度が高い夏場は特に要注意です。
(2)ストローを差して飲まない
口紅などがペットボトルの口の部分に付くのを避けるため、ペットボトルにストローを差して飲む人を見かけますが、これは一度口に入った飲料がペットボトルの中に逆流し、“口飲み”よりも雑菌が飲料の中に入り込んでしまいます。ペットボトルの口が汚れるのが嫌であればやはりコップを用意する方が良いでしょう。
(3)水筒代わりに使用しない
中味が空になったペットボトルに他の飲み物を詰め替えて持ち運んでいる人を見かけますが、これも雑菌が繁殖する原因ですので、止めましょう。飲み物を持ち運ぶ場合はカップ付きの保冷・保温ができるステンレスボトルがお勧めです。
目には見えませんが、ペットボトルの飲み残しの中で菌がうようよと繁殖しています。暑い夏は室内室外の温度差が激しい環境になりますので、特に注意が必要です。体調管理の一環として、ペットボトル飲料の取り扱いには十分気をつけましょう。