『ポケモンGO』に見る、日本人の国民性 ~日本は“融合”を受け入れるのがお得意~
7月22日、いよいよ日本でも配信がスタートしたスマホゲームアプリ『ポケモンGO』。1990年代に登場して以来、未だ子どもたちに人気のキャラクター『ポケモン』が、スマホがキャッチする位置情報を活用し、現実世界でポケモンワールドを体験できるということで、世界的に話題となっています。日本で配信がスタートした初日、各テレビ局の夕方のニュースでは、『ポケモンGO』で楽しむ人々の熱狂ぶりをレポートし、その面白さがどれほどなのかを報道していました。
アメリカでは1日の利用者が約2,100万人に達したという情報もあるほど、全世界に影響を及ぼしている『ポケモンGO』ですが、どうして日本で誕生した『ポケモン』なのに、日本に先駆けてアメリカなどが先行して配信されたのでしょうか。
日本で配信される直前、「日本で生まれたキャラクターなのに、どうしてまだ日本では遊べないの?」と思っていた人もいたと思いますが、その理由は、日本人の国民性が絡んでいると考えられています。
まずは、日本人は新しいものに対して規制がかかる可能性が高い。何か問題が起きるとすぐにたたかれることが予想できました。しかし、海外でも大人気!となれば話は別。「流行りに乗りたい!流行りに乗り遅れてはいけない!」という日本人が抱きやすい感情を逆手に取ったマーケティングは、ニュースで見る限り大成功を収めていると思われます(「スマホ歩き」を規制しているエリアでは今後どうなるかは分かりませんが…)。
そして、日本人は古くから「謙虚が美徳」の文化。最新のIT技術を駆使したスマホアプリとコラボすることになった歴史ある『ポケモン』。「日本発のキャラクターだから、日本を最優先にすべき」という主張はなされなかったのかもしれません。
また、日本は多神教の国で、昔から“融合”を受け入れるのが得意な国。昔から、新しいものを生み出すことと同じくらい、何かとコラボレーションして新しいものを生み出す力に長けています。今回の“融合”の及ぼす波は、果たしていつまで続くのか、気になるところです。
ただ、私が個人的に気になるのは、やはり「スマホ歩き」について。スマホの画面に集中しすぎて前を歩いている人とぶつかったり、車の中でゲームをしていて車を止めてまでプレイしたりしている人がいるという噂も。自分の好きなことに没頭・集中することはとても良いことだと思いますが、周囲の人に対しての気くばりを疎かにしてまでプレイするのは、美的にどうかと…。分別のある大人であれば、そのあたりも気にして楽しんでもらいたいものです。
文:高橋果内子
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