漢方薬として古くから使われている保湿成分「スクワラン」の効果と特徴
アトピー性皮膚炎の方はお肌の乾燥が気になりますよね。「保湿が大切」と聞き、様々な保湿剤を試していることと思いますが、皆さんは「スクワランオイル」を使ったことはありますか。皮膚科でステロイドを処方されて治療する方法が一般的ですが、スクワランオイルもアトピー特有の乾燥対策として効果が期待できるアイテムです。
そこで今回は、スクワランオイルの効果などについてご説明したいと思います。
■スクワランはお肌に優しく使えるオイル
化粧品などでも多く使われているスクワランオイルは、深海鮫の肝油成分に含まれる「スクワレン」を加工して作られる無色透明な天然の保湿剤です。添加物や化学物質等が含まれていないオイルで、かつ人間の皮脂膜にも含まれている成分なので、お肌に優しく利用できるのが魅力です。
そして、非常にお肌への浸透力が高いのも特徴です。保湿効果が高いだけではなく、天然の皮脂膜のようなお肌のバリア効果機能を高める効果も期待できます。
オリーブオイルなどの植物オイルから抽出することもできるのですが、その場合は「植物性スクワラン」と呼ばれています。
■スクワランオイルの持つ作用
スクワランオイルの代表的な作用としては
(1)鎮静作用
漢方では古くから痛みやかゆみ、やけどの治療のために、鮫肝油を原料とした「サメ玉」としてスクワレン使われていて、痛みを和らげる鎮静作用があります。
(2)雑菌作用
スクワレンの基本骨格であるテルペン族は優れた殺菌作用を持つことで知られています。スキンケアで取り入れれば外部からの雑菌が皮膚に侵入するのを防ぐことができます。
(3)抗酸化作用
日常生活において紫外線を浴びたりすると、体内の器官を錆びつかせ、動脈硬化やお肌トラブルの原因となる“活性酸素”が体内に発生しますが、スクワレンは酸素を結びつく性質があるので、活性酸素の発生を抑える効果が期待できます。
などがあります。
■免疫力アップをサポートしてくれる強い味方
スクワレンは人間の皮脂膜中のほか、リンパ節や骨髄、副腎、肝臓などの免疫担当細胞に幅広く分布しています。スクワレンを補給するとこれら免疫担当細胞が強化され、Tリンパ球やBリンパ球、マクロファージなどの免疫細胞の働きを向上させることができます。
アトピー性皮膚炎の方の強い味方になってくれるスクワランオイルですが、購入の際は成分表示をよく確認して、添加物や化学物質が使用されていない無添加のスクワランオイルを選ぶようにしましょう。お肌トラブルの改善に役立ててくださいね。