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人の気持ちを形作るもの ~感情と感性~

 

高校生の頃、「人の気持ち」や「人間関係」に興味があった私は、最近になって心理について学び始めました。大人になってから自分の意思で学び始めると、自分のこれまでの経験がケーススタディとしてイメージしやすいのか、とても面白いです。

心理にまつわる本を読んでいると、「最近の若い人はインターネットやSNSの普及の影響によって、コミュニケーション力が低下していて、相手との壁が生じやすい。ストレス社会と呼ばれる現代社会において、ますますストレスを感じやすい環境である」と書かれていました。

例えば、インターネットがない頃、自分が知らないこと知るためには目上の人か先輩に尋ねるしか方法はなく、そういったシチュエーションの時は「どうしたら教えてもらえるか」と考えながら、相手に丁寧に質問したものです。

しかし、今では自分の知らないことはインターネットで検索すればたいていのことは分かります。インターネットはとても便利なツールです。私も日々利用しています。ただ、その便利さに甘んじていると、ネットの情報だけでは解決しづらい、恋愛や職場など人間関係に問題が生じた時、実際にどうやって解決すれば良いのか、相手とどう接すれば良いのか、答えが見つけられない人が増えているようです。

動物にも感情があると言われていますが、動物と違い人間は相手の行動や態度から相手の気持ちをくみ取って、「今、相手はどんなことを考えているのか」を想像できる能力を持つ生き物だと言われています。人間は人(他者)と関わる中で自分自身の感覚を育てているとも言えます。

人間は、人に優しくされたり不快な思いをしたりすることで心が揺さぶられて感情が育ちます。また、素晴らしいものと出会った時に感性は磨かれます。感情感性は自分の持ち物(心もち)でありながら、他者と関わることで形作られるなんて、とても不思議なものだなぁとつくづく感じる今日この頃です。

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文・高橋果内子

http://www.kanakotakahashi.com/

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