食事の工夫で減らせるの?今さら聞けない内臓脂肪の仕組み
年末に向けて、忘年会やクリスマスなど、何かと美味しい物を食べる機会が増えるシーズン。ついつい食べ過ぎてしまって、お正月は寝正月。毎年年を越す度にぽっこりお腹が気になる……なんて人も多いだろう。そのお腹周りに付いてしまったのは“内臓脂肪”かもしれないか、果たして“内臓脂肪”とは一体何なのか?
そこで、今回は女性の心と身体の健康情報を発信『ウーマンウェルネス研究会』が公開した内臓脂肪についての話を紹介する。
■そもそも脂肪って何?
食べ物に含まれている“脂肪(植物性の油・動物性の脂)”は、胃で消化されて小腸へ入る。そして、小腸で吸収された脂肪は、タンパク質と結びついて血液に溶け込み、血管を通じて筋肉や肝臓など体内の各組織へ送られて、エネルギー源として利用される。
しかし、あまりに大量の脂肪が体内に入ってくると、余分な脂肪はエネルギーとして消費されずに、皮膚の下や内臓のまわりの脂肪細胞に体脂肪としてため込まれ、体脂肪はつく部位によって、皮膚の下の皮下組織につく“皮下脂肪”と、内臓の周囲につく“内臓脂肪”などに分けられる。
■実は減らしやすい“内臓脂肪”
内臓脂肪は、摂取した中性脂肪が使いきれないときに蓄えられる脂肪。内臓脂肪というと臓器につくイメージがあるが、実は腸を適切な位置に維持するために小腸を覆っている“腸間膜”につくという特徴がある。つまり、下腹のぽっこりは、内臓脂肪が増えてきたという可能性があるのだ。
内臓脂肪は皮下脂肪と比べてすぐにつきやすい一方、身体のエネルギーとして消費されやすいという特徴があり、つきやすく落としやすい脂肪とも言える。
■内臓脂肪になりにくい食事のポイント5箇条
内臓脂肪は、何を食べるか、いつ食べるか、といった食事の工夫でつきにくくできるという特徴がある。
【内臓脂肪になりにくい食事のポイント】
(1)豆類、野菜類、果物類を積極的にとり、脂っこいものや甘いものはなるべく避ける。
(2)同じカロリーのものなら、脂質よりタンパク質を豊富に含む食品、食物繊維を豊富に含む食品を選ぶ。
(3)脂質をとるなら、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)を多く含んだ青魚などがおすすめ。
(4)夕食で脂質の多い食事をとるのは避ける。夜に脂質の多いものを食べるとエネルギーを消費しにくいため、内臓脂肪がつきやすくなる。一方、朝はたくさんのエネルギー消費が活発なので、朝をしっかり食べ、夕食を軽めにするのがおすすめ。
(5)遅い時間の夕食は避ける。仮に、普段より3時間夕食の時間が遅くなると、1日の平均消費カロリーが約1885キロカロリーの人で1日のエネルギー消費量は47キロカロリー(ごはん2口分)低下してしまい、内臓脂肪が増える原因になる。
“内臓脂肪”と“皮下脂肪”の違いが分かれば、より効率的にダイエットすることができる。年末年始に身体についた脂肪は運動などで効率よく消費させて身体にこびりつく前に落としてしまおう。