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自分らしくいるということ ~ありのままとワガママ~

 

私は大学生時代から映画鑑賞が趣味。最近では趣味が高じて映画のコラムを時々書かせていただく機会もあり、最近は試写会も含めて年間100本程度の映画を観ています。

ここ数年で一番ヒットしたと言っても過言ではない作品の一つに『アナと雪の女王』が挙げられます。ディズニー史上初の女性監督・ディズニー史上初のミュージカル仕立て・ディズニー史上初のWヒロイン、とこれまでにない新しい取り組みをしたディズニーの圧勝と言ったところでしょうか。

一時、「ありの~ままの~」のフレーズを聞かない日はないのではないか!と思うくらい、テレビやネットで主題歌が流れていましたね。あの耳に残るフレーズが映画のヒットにつながったとも考えられ、あのフレーズが流れる度に「あぁ、また観に行きたいな」と思い出す人も多かったと思います。かくいう私も試写会で『アナと雪の女王』の予告編を観た時に、「これは絶対に観たい!」と胸にぐっと刺さるものがありました。音楽の力ってすごいですね。

さて、とても印象的な「ありの~ままの~」のフレーズですが、映画が公開され、空前の大ヒットと話題沸騰になり、毎日のように「ありの~ままの~」を聞いているうちに、私はなんだか不思議な感覚に襲われました。「あれ?ありのままってどういうことだろう?」と。

映画の中では、主人公の女王エルサは雪深い山奥に身を置くことで、自分の持つ魔法の力を隠すのではなく、孤独だが自由な生活を選ぶのですが、この時に彼女が熱唱するのが「ありの~ままの~」のフレーズ。抑圧されていた自分を解放することで新しい自分と出会い、自分らしく自由に生きていくことを選択した女性の強さみたいなものを描いているシーンです。

このシーンで勇気づけられた女性も多いと思いますが、ただ、「ありのままに生きる」というのは「ワガママに生きる」こととは違うと思います。最近、「○○ハラスメント」というキーワードをよく耳にしますが、自分が損することがなんとなく嫌そんなワガママ自分本位な考え方から起こる問題だと感じます。

「すべて相手のために」と考えて行動するのも難しいことですが、損得勘定優先で物事を考えると、相手の不快感を顧みない行動に出てしまうことが増えてしまいます。ありのままワガママをはき違えず、周囲と上手にコミュニケーションが取れる素敵な大人になりたいものです。

ちなみに余談ですが、主題歌では『Let It Go』と歌われていて、本来の意味は「放っておいて」という意味だそうです(笑)

(高橋果内子)

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