脱ステロイドでアトピー改善!?ステロイド卒業のための心構え2つ
アトピー性皮膚炎で悩んでいる人であれば一度は聞いたことがある「ステロイド」を使用した治療法。ステロイドに関して賛否はさまざまなようですが、情報が多すぎて、ステロイドを使うべきか否かを悩んでしまっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はステロイドについての情報をご紹介します。
■そもそもステロイドとは?
ステロイドとは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンのひとつで、ステロイドホルモンを薬として使用すると、炎症を抑えたり免疫力を抑えたりする作用があります。さまざまな疾患の治療に使われていますが、副作用もあるため使い方員は注意が必要です。
ステロイドについては、「一度使うと止められなくなる」、「皮膚が黒くなる」などと言われていますが、ステロイドは局所的に作用させるものですので、使用期間を守らない(長期間使用し続ける)など、医師の指示通りに使わないことによって副作用がひどく出る場合があります。
しかし、薬局等で購入できる外用剤(薬)は厳しい審査基準を通過して販売されているものになりますので、医師の指示や注意事項を守って正しく使用すれば、心配ありません。
■ステロイド治療を急に中止するとリバウンド症状が起こる
アトピー性皮膚炎に関する著書を複数出版されている藤澤皮膚科院長・藤澤
重樹先生の著書『9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方』によると、長期間にわたって
ステロイドを使い続けた人が突然中止(脱ステロイド)に踏み切ると、以下のようなリバウンド症状が起きるそうです。
=以下引用=
- 中断後1週間前後で赤いやけどのような腫れ上がった皮膚になる
- 全身の至るところが腫れ、皮膚から組織液が浸出する
- 正常な精神状態を保てなくなるほど激しいかゆみが続く
- 体中にチクチクとした痛みを感じる
- 皮膚炎がステロイドを使っていない部位にまで広がる
- 自律神経が乱れて体温調整機能が変調をきたし、冷え性になる
- 疲労、不眠、食欲不振、焦燥感、不安が強くなる
- 皮膚が極度に乾燥し、落屑が大量にはげ落ちるフレーク現象
=以上=
ステロイド外用薬の処方を受けていた患者さんが、「ステロイドは危険!」などの記事をネットなど見つけ、自身の判断でステロイドを勝手に止めてしまったり、かゆみが我慢できずに勝手に塗り始めてしまったりする人がいるようですが、ステロイド使用に関しては医師の指導を守るようにします。
■ステロイド卒業のための心構え2つ
上記のようにステロイドを止めるとなったら、その後にはリバウンド症状が起こります。しかし、この症状に心が折れてしまって結局ステロイド使用に逆戻りしまうと、余計に状態が悪化することが考えられます。
脱ステロイドすることが決まったなら、次のことを心がけましょう。
- アトピー改善のためには脱ステロイドは必要
脱ステロイドするのは、ステロイド依存症・ステロイド依存性皮膚炎(当初より状態が悪化する可能性がある)を改善するためのものです。一時期的には症状がひどくなったように感じることもありますが、長期使用を避けるための家庭ですので、アトピー改善にとって大切なプロセスであることを忘れずに。
- ストレスと上手につき合う
かゆみや症状が広がる(強まる)ことで、ストレスを感じてしまうかと思います。しかし、ストレスはアトピー性皮膚炎の症状が悪化する要因のひとつです。脱ステロイドで著しくストレスを感じてしまう時は、たくさん睡眠を取る、肌触りのよい衣服に切り替える、抗ヒスタミン剤の処方を依頼してみる、など自身に現れるストレスを上手に向き合い、つき合うようにしましょう。
症状緩和のためには不安に思うよりも「これ以上悪くなることはない」と開き直るくらいの気持ちで、医師と一緒に脱ステロイドに取り組むようにしましょう。