女性が最も美しいのは●歳! ~枯と艶~
先日、“美魔女”ブームの立て役者のお一人である山本由樹氏のお話を伺う機会がありました。テーマは「“生涯主役で咲き続けたい” Hanako世代女性の自分の見た目アップへの情熱」。いくつになっても女性は綺麗でいたいと思っていますが、Hanako世代女性はどのような感性で“美”と向き合っているのか…を学ぶ機会でした。
お話の中で、“美魔女”というキーワードが生まれた経緯についてお伺いすることができました。山本さんが新しい媒体を作るプロジェクトに抜てきされた際、様々な女性にインタビューをし、答えてくださった女性たちからは「40代になるとファッションでは若返ることができない。外見を繕うには限界がある」、「ファッションで若返ろうとすると違和感があって、若作りをしているように見える。若作りしているように思われるのは嫌だ」、「美容に関しては自分の努力が必ず結果となって現れるはず。美容は自己投資なのでお金は惜しみません」という声がたくさん挙がり、「それであればいつまでも美しくいたい女性の役に立つ美容雑誌を作ろう!」となったそう。
そして、更にインタビューを続ける中、山本さんが気づいたことが、綺麗な女性に限って「私、特別なことは何もしていないです」と答えるということ。山本さんは内心、「何もしていないのにそんなに綺麗でいられるわけないでしょ」と感じつつ、「もし本当に何もしていないなら何か素敵な“魔法”を使っているに違いない」と感じ、年齢を重ねても綺麗でいることに貪欲な女性たちを“美の魔法使い”=“美魔女”と名付けたそうです。
“美魔女”というキーワードを浸透させるために、山本さんは「国民的“美魔女”コンテスト」を企画されましたが、参加資格は「35歳以上で年齢を感じさせない輝きを持っている女性」。年齢制限の上限ではなく下限が設けられ、ある程度年齢を重ねていないと応募できないシステムを導入することで、いくつになっても美しくいたい女性たちをサポートする媒体作りに成功したのでした。
“美魔女”というキーワードが生まれるまで、その世代の女性は「熟女」「中年女性」「シニア女性」などと表現されていましたが、それらのキーワードはどことなくネガティブなイメージがありました。いつまでも美しくいたい女性にとって、“美魔女”という言葉は、“老いても美しい”をいう概念をポジティブに表現することにも成功したと言えます。
女性の美しさは若さに起因するものだけではなく、経験や知性によって培われていく部分もあります。ある程度年齢を重ねた段階で若さではない内面的な大人の女性としての魅力が増し、美の逆転現象が起こる。年齢を重ねて「枯」れていくのではなく「艶」っぽさを感じさせる女性。男性からも女性からも支持されるのは、そんな「艶」を感じさせてくれる女性ではないでしょうか。艶っぽい女性を目指し、年齢と共に経験を積み、内面はツヤツヤなのにお肌がカサカサ…なんてことにならないように、内面磨きと共に日々のスキンケアも頑張っていきたいものです。
(高橋果内子)