自分が本当にしたいことを知るために「減らす」
2010年(平成22年)頃から徐々に流行している「断捨離(だんしゃり)」ですが、改めて「断捨離」について調べてみました。ウィキペディアによると、「断捨離とは、不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想であり、やましたひでこの著書において発表された。」との記載が。現在では、辞書の『大辞林』にも掲載があります。
「断捨離」に関する本やブログを読んでいると、自分の身の回りのものを9割がた処分する方が多いようですが、私自身は「捨てる」という行為がなかなかできません。整理(何をどこに片づけるかを決める)や片づけ(元にあった場所に戻す)はできるのですが、物への思い入れが強いのか「捨てる」ことがなかなかできず、物を片づけるスペースがなくなると部屋の中に物が散乱する…という状態になってしまいます。そんな時、衝動的に「あー!思い切って全部捨てたい!」と感じる時があるのですが、思い立ってもなかなか捨てられないあ…そんな人が多いから、「断捨離」や「ミニマリスト」が大ブームとなったのかもしれませんね。
そんな思いがありつつ、ある日、友人からこんなことを言われました。
「使わないものが置いてあるスペースにも家賃が発生している。2LDKに住んでいても、1部屋が物置状態だったら1LDKに住んでいるのと同じ。」
この話は私に大きな衝撃を与えました。「広い家に住みたい」と思っていた私の願望は、実は「いつか使うかも」「残しておいたら便利かな」と、これから使うかどうかも分からない存在価値があいまいなものに部屋の一部が占拠されていることからの発想だったことに気づかせてくれたのです。
そこで、ただ何となく物が溜まっている自分を振り返り、「捨てる」ことはできなくてもまずは「減らす」と決意しました。同じ用途のものがあれば一つで2つ以上の使い道があるもの、自分のテンションが上がるものを残す。これまで便利だったけど「これから先自分がもう取り組まないかもしれない」と思うことに関わる道具は処分する。何度も読みたいと思えるほど大好きな本以外は手放す。大切な思い出の品は物ではなく記録と記憶に残す。
すると、部屋がきれいになると同時に、自分にとって必要なことが見えてきました。物を減らしていく過程で自分の価値観と向き合う必要があり、自分自身がこれからどうしたいかと向き合うことにもなる。「減らす」ことから見えてきたことがたくさんありました。単に捨てる、処分することに抵抗がある人はまずは「減らす」視点を持つことをお勧めします。手放したいものを友人に譲ったりリサイクルショップに売ったりすれば、自分以外の人に役立つ場合もあるので、そういった方法を選択するのも良いかもしれませんね。